職人の手が生む土の器 「たたら」シリーズ

2025.10.05食器・食卓まわり

”たたら”とは土を板状にのばし、型に押し当てて形づくる技法。ゆがみ、線の入り方、ざらりとした質感――それこそが、手仕事ならではの個性です。

表情の異なるグレイッシュな釉薬を用いた5柄と4種類のアイテム展開で、いびつな風合いで温かみがあります。
今回はたたらシリーズを、アイテムと生産工程まで詳しくご紹介します。

BARBAR たたら

柄の紹介

たたら_銀鉄_8寸皿

銀鉄

表面がうっすらと銀色に光る釉薬を使用しています。

たたら_かいらぎ_8寸皿

かいらぎ

生地の上からヒビが入る白い土を刷毛で塗って、貫入の模様をだしています。
土の成分と技法の特性上、表面に鉄分の茶色い点がでます。

たたら 白みかげ 8寸皿

白みかげ

ほとんど水に近い、濃度の薄い釉薬を使用し、陶土の素材を生かした仕上がりになっています。
表面の陶土の表情を出す為に、あえて砂を加えて線状の模様を出しています。

たたら_油滴天目_8寸皿

油滴天目

油滴のような斑文の模様が特徴です。

たたら_銅釉_8寸皿

銅釉

銅のような発色をする重厚感のある釉薬です。

アイテムラインナップ

小鉢

BARBAR たたら

幅13㎝ほどのころんとした小鉢です。
鍋の取り分けや、和え物、煮物、果物、サラダなど一年中使い勝手のよいサイズです。

楕円皿

BARBAR たたら

パスタやカレー、ピラフや野菜炒めや中華料理など、様々な料理と相性のいい楕円で深さのあるお皿です。
また、楕円の形は食器棚の場所もとりません。一枚あれば何役にも使え、毎日活躍してくれることでしょう。

中鉢

BARBAR たたら

煮物やサラダ、鍋の取り鉢にぴったりな中鉢です。

8寸皿

BARBAR たたら

24cmプレートです。和食、洋食問わず料理を引き立ててくれます。

手仕事のながれ

①土をこねて整える

BARBAR たたらシリーズの制作風景①こねる 写真

風合いを出すために、土には砂を混ぜています。
この砂が、焼き上がったときのざらっとした質感のもとになります。

②土をカットする

BARBAR たたらシリーズの制作風景②スライスしている写真

糸でスライスして決められた厚みにそろえます。

③ローラーがけ

BARBAR たたらシリーズの制作風景③ローラーで伸ばしている写真

生地をローラーでのばすと、砂の粒が引きずられ、細かな線模様が生まれます。
釉薬の濃度が薄い【白みかげ】では、その模様がより際立ちます。

④少し乾燥させる

BARBAR たたらシリーズの制作風景 ④乾燥させている写真

成形しやすい固さになるまで、すこし時間をおきます。

⑤型にのせる前の”ひと手間”

BARBAR たたらシリーズの制作風景 ⑤片栗粉をまぶしている写真
BARBAR たたらシリーズの制作風景 ⑥型に乗せている写真

型に片栗粉をまぶしてから土をのせます。
焼き物づくりに片栗粉?と思うかもしれませんが、きれいに型からはがすための大切なひと手間です。

⑥たたら成形

型にペチペチと押しつけながら形を作っていきます。
この技法を「たたら成型」といいます。

⑦余分な部分をカット

BARBAR たたらシリーズの制作風景⑧ふち処理をしている写真

型からはみ出た部分をピーラーような専用の道具でカット。

⑧脱型

BARBAR たたらシリーズの制作風景⑩脱型している写真

型ごと持ち上げ、勢いよくひっくり返して土を外します。
職人の力仕事でもあり、緊張の一瞬です。

BARBAR たたらシリーズの制作風景⑪生地の出来上がりの写真

脱型した生地です。

⑨ふちの処理

BARBAR たたらシリーズの制作風景⑧ふち処理をしている写真

ここからは、こだわりのふち処理の作業です。少し斜めにカットしていきます。

BARBAR たたらシリーズの制作風景⑨面取りをしている写真

さらに口に当たりをよくするため、専用の道具で面取りのように角を滑らかにします。

BARBAR たたらシリーズの制作風景⑨面取りの道具の写真

角取りの専用道具。足袋のようでかわいい形をしています。

BARBAR たたら

このあと、素焼き → 釉掛け → 本焼成を経て、ようやく完成。
焼きあがった器には、少しの歪み、釉薬の濃淡、小さな凹凸があらわれます。
それらは欠点ではなく、すべて“手仕事の証”。

同じ型でも、気温・湿度・釉薬の具合で仕上がりは少しずつ変わります。
だからこそ、あなたの手に届く器は世界にひとつだけの表情を持っています。

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